以前のエントリーの「誰でもメーカー -User Generated Device」Part1に続き、日経エレクトロニクスの1000号記念特集 Part2「ハードだってオープンソース -User Generated Deviceの実現技術」を読んだ。個人レベルでのハードウェア開発を可能にする最新の技術動向や事例が広範に解説されている。現在の技術動向に関する情報ソースとして有用。
それから、オープンソースハードウェアが成立条件として、ソフトウェアのオープンソース化のアナロジーから、1)無償の設計ツール、2)安価な出力装置、3)設計データの改変や再配布の許可(ライセンス体系など)が整うこととある。特集記事にあるとおり、特に2)の安価な出力装置(3Dプリンターや切削機)の登場により、オープンソースハードウェアは浸透していくのではないかと思われる。
ユーザは何をカスタマイズするのか、に関する考察では筐体、外装、インターフェイスなど嗜好性が強いところにカスタマイズニーズがありそうだと特集では解説されている。確かに、そのとおりかも知れない。こうしたもともと「コンテンツ性」が強く、比較的技術的な専門性が低い部分がカスタマイズされていきそうだ。
一方で、こうしたプラットフォームが広がって行って、筐体や外装、インターフェイスに留まらず、これまでにない機能をもった機器が創出されたり、故障したデバイスが捨てられてしまうのではなく、モジュール化によって再利用が促進され、社会全体で廃棄されるものが少なくなるような社会になったりしないだろうか…
そう考えると、前に紹介したInformal Repair Cultureのような文化は面白く、重要に思えてくる…。