このエントリーの続き。 で、オブザベーションの話。
アクティブに長い時間の関与=Active Prolonged Engagement(APE)をうながす展示がある。
「APEな展示」では、来館者は実際にどのような行動を行っていて、どのような特徴があるのか。
こんな疑問に答えるために、ビデオによるオブザベーションとインタビューによる「APEな展示」と「その他の展示」との比較分析が行われている。
具体的には、グループで訪れた人の会話を「質問」と「応答」に分類 し、さらにそれぞれを質問の種類や応答の種類で分類し、 APEとその他でどのような特徴があるのかを比較する。
「APEな展示」では、まず質問の数がその他の展示に比べて三倍近く多く、「もっと早く回せる?」など相手に行動をうながす質問が主となる。
使い方を尋ねたり、「見た。今の?」的な相手の知覚の確認が少ないそうだ。
デジタルな環境でインターフェイスを作るとき、グループの会話を観察できる機会はそんなに多くはないとは思う。強引にグループで使ってもらって会話をしてもらう方法もあるが、なんらかの行為を分類して、思考を外在化していけば似たようなアプローチは取れるのではないだろうか。デジタルな環境でのAPEは観察したい興味深いテーマだ。