Touch Session on CA001

先日、発売されたau 初のタッチパネル携帯に「Touch Session」という世界の楽器が演奏できるアプリがあります。

このアプリのプランニング、設計、デザインに携わらせて頂きました。iPhoneアプリにも様々な楽器がありますが、「Touch Session」は様々な民族楽器があり、楽器を組み合わせた曲づくりまでができるところが特徴だと思います。インターフェイスの面では、まず、単純に演奏を楽しめること、次に単独楽器のレコーディング、それからミックスと徐々にやりたいことを広げて行けるようなところを考えました。演奏方法はタッチして演奏できる楽器や、振って音ができる楽器があるので、楽器に馴染みがない人もなんとなく楽しむことができるのではないでしょうか。

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Credit:
Produce: 佐合祐一、飯塚 竜也(株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ
Direction / Planning: 佐々木 拓史、谷口西欧(株式会社スペースポート
Creative Direction / Interaction Design: 岡村祐介、尾崎美穂子、重信和広(株式会社アクシス
Art Direction / Graphic Design / Motion Direction: 谷津田良之
Brew Programming:植木良則、星孝太郎(株式会社マイティークラフト
Audio Engine:YAMAHA

Links:
CA001プロモーションサイト
TVCF
デザイナー谷津田さんのサイト

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ハイブリッドデザインコンテスト2009


「ハイブリッドデザイン」とは街や暮らしの中でITを活かしていくデザインのことを言うそうです。既にITを利用・使用した街や暮らしの中で役に立っているデザインはたくさんありますが、より密接に私たちの暮らしと関係するものを言うようです。

理想としてはユビキタスネットワークやユビキタスコンピューティングが実現されていることが下敷きとなり、その上でサービスを考えることなのでしょうか。

今は実現させる方法が分からないアイデアでもいいそうなので、いいアイデアのある方は応募されてみてはいかがでしょうか。

下記、詳細です。

街と暮らしのハイブリッドデザインコンテスト2009プレゼンテーション(略称:ブリコン2009)アーバンコンピューティングシンポジウムシリーズ第5回

日時 2009年3月6日(金) 14時00分〜17時00分 (開場13時30分)
会場 パナソニックセンター東京 ホール
    住所:東京都江東区有明2丁目5番18号
    交通:りんかい線「国際展示場駅」徒歩2分
       ゆりかもめ「有明駅」徒歩3分
主催 アーバンコンピューティングシンポジウム実行委員会
   街と暮らしのハイブリッドデザインコンテスト実行委員会
協賛 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社,他
特別協賛 パナソニックセンター東京
対象 どなたでも参加できます
参加無料 事前予約制
連絡先 アーバンコンピューティングフォーラム

開催概要
 わたしたちの日々の暮らしがいとなまれる住まいや仕事場と都市とのあいだにあるさまざまなパブリックプレイスの未来にむけて、たんなるモノ(プロダクトデザイン)や環境(都市建築設計)のみのデザインとしてではなく、情報通信技術を活用した、ひとびとのつながりを活かし続けるようなシカケとしての「ハイブリッドデザイン」が求められています。このようなハイブリッドデザインのアイデアを募集するコンテストを開催します。
 今回のプレゼンテーションでは、一次選考通過者によるアイデアの発表を審査し、入賞者を決定します。また、審査員によるハイブリッドデザインに関するリレートークを行います。
 アーバンコンピューティングフォーラムでは、IT、都市、建築、アート、デザイン等の領域で横断的に活動しているひとびとを結びつけ、新しいアプローチによる知の結集を目指しています。パナソニックセンター東京を会場として、アーバンコンピューティングシンポジウムを連続開催しています。

プログラム
13:30 (開場)
14:00〜 ブリコン2009プレゼンテーション
     一次選考通過者によるアイデアのプレゼンテーション
15:00〜 「パブリックプレイスのハイブリッドデザイン」
     審査員によるリレートーク
     ナビゲータ:森山朋絵(東京都現代美術館)
16:30〜 ブリコン2009表彰式
17:00 (終了予定)
   シンポジウム終了後、パナソニックセンター東京の見学ができます。
   (時間、講演者は変更することがあります)

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差延か…

今日は全く内容的にズレるのですが、パウル・クレーゲーテ研究をされていた先生の記念講演を聞いた感想を少し。学生時代にお世話になっていたのですが、話の内容はすこぶる難解で、その後、理解したくていろいろと考えてしまうような魅力的な講演でした。

講演の内容は、クレー、ゲーテ、シャロウンなどを例示しながら、絵画、色彩、建築、などを「差延」という概念から読み解く内容だった。スタイルとしては「自己言及」をテーマにゲーデル、エッシャー、バッハを読み解いて行くゲーデル、エッシャー、バッハ – あるいは不思議の環のような知的な冒険であり、混沌として理解できそうでできない、面白さがありました。

「差延」 はデリダの「差延」とは違うようで(あるいは同じなのか?)、織物のように織り込まれ、それが奇妙に変化し別のものがふっとわき上がるような概念だと説明されていた。建築の文脈では、構造的オーダーの様式論と対立し、表層の差延の様式論が、色彩のなかでは、補色、コントラストという対立概念から理解する色彩ではなく、色環の隣接する色彩の移行のなかで捉えられるような色彩論の説明があった。

構造的に考えて行くと、ものごとを対立関係として捉えがちだが(垂直・水平など)、表層的に捉えればそこは対立概念で理解するのではなく、差延として捉えられるのではないか、ということなのだと思う(たぶん)。そして表層の方が本質なのだ、ということだろうか…そう考えると、すごくポストモダン的なのだが、理解が浅いということなのだろうか…

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Gestalt

美しいです。

Reincarnation from Memo Akten on Vimeo.

人の形に見えたり、そうではなくなったり、不思議ですね。Gestalt崩壊を繰り返します。

“written in C++ using openFrameworks, openCV and openGL.? “とのこと。ビデオ入力を解析して、cellular automata systemを使った?流体シミュレーションによって実現されているとか…

source:http://www.memo.tv/reincarnation

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Attraction Affordance

アフォーダンスは認知科学から生まれてデザインのなかで、一時期かなりもてはやされたキーワード。デザインのなかで使われる時は、「無意識に行為を誘発するようなモノのあり方」というような意味で使われている。デザインのなかでもユーザーインターフェイスの話のなかでたくさん使われた後、深澤直人氏のプロダクトデザインにこの考え方が多く用いられた。

先日読んでいた “Designing Gestural Interaction”のなかにそれを発展?させたAttraction Affordanceという言葉が紹介されていた。例としては、Microsoft Surfaceのタッチすると波紋が広がるようなものや、ついついさわってみたくなってしまう感じの画面などを指しているようだ。キオスク端末がアイドル状態の時などもそれにあたるとのこと。

この方法はとても大切な時があり、ある画面のオープニング時に、さわって欲しいものを魅力的に動かして、まず、それをさわらせるということをやったりする。オープニングはその他にモノが出てくる順番や方向から、画面がどう機能するのか、構造を理解してもらうシーンとして使うこともある。

ジェスチャーを使ったインターフェイスは、これまでのインターフェイスと違って、操作方法が暗示的なので、Attraction Affordanceはとても大切になるのではないだろうか…例えば、これまでのインターフェイスでは、地図の拡大は虫眼鏡アイコンのクリックだった。ジェスチャーを使ったインターフェイスでは、タッチした二本の指を広げるピンチという操作になる。現実の世界では自然な行為なのだがモニターの前では、その作法が通用することがイマイチ分からない。そんな時にAttraction Affordance的な考え方が大切になるのではないかと思う。

それから、「横井軍平 ゲーム館」には、ゲームのキャラクターがストーリーを伝え遊び方を伝えるというようなことが書いてある。ドンキーコングではこのキャラクター設定の利用の他に、コングに女の子がさらわれ上に登って行くというシーンをアイドル時間にながして、ゲームの仕方を伝えたそうだ。それから、アーケードゲームで100円いれさせるには、「この仕組みはどうなっているんだろう?」と思わせればよいとのことだ。アーケードゲームにはAttraction Affordanceのいろいろなヒントがありそうだ。

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横井軍平 ゲーム館

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先日、同僚から横井軍平の話が面白かったと聞いて購入。なんと、Amazon Marketplaceで10倍以上のプレミアがついていました。レビューに「資料的価値が高い」と書かれていて、この一言に負けてクリックしてしまいました。(どうも、同僚が話していたものとは違う書籍だったようなのですが。)書籍としては、長時間インタビューをまとめたもののようで、京都の一企業に過ぎなかった任天堂がどのように発展していくのか、リアルに感じられる確かに貴重で、「資料的価値の高い」一冊です。横井氏の発想はとても奇抜なのですが、(左にしか曲がれないラジコンとか…)大切なところがおさえられているというか、一貫する姿勢のようなものが感じられます。「枯れた技術の水平思考」という言葉にそのあたりが現れているのかも知れませんが、この本では実際にその姿勢が味わえます。それから、もちろんフィジカル・コンピューティング的にも?ゲームウォッチ以前の話はいろいろと発想が広がりそうです。


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インタラクションデザインの価値

Appleや任天堂の影響で、ずいぶんとインタラクション、インターフェイスデザインの価値が上昇しました。

特に家電製品のなかでは、これまでインターフェイスデザインの大切さを話してもなかなか理解してもらえなかったり、お金をかける対象としてはハードウェアデザイン、いわゆるインダストリアルデザインの方に重きを置くという流れがあった。インターフェイスでは売れないと。

最近はインタラクションデザインが大切だ、という言葉を耳にする機会も増え、認識がずいぶん変わった。そんななかで、今一度インタラクションデザインの価値を考えてみると、いわゆる使い勝手が良くなるとか、インタラクションそのものの価値の他にこんなことが言えないだろうか。

デザインクオリティは製品品質として知覚される

インターフェイスのデザインクオリティは、知覚される技術品質や製品品質に大きな影響を与える。インターフェイスデザインの操作性や、審美性を向上させ、製品全体の知覚品質を向上させることが可能になる。

インターフェイスがブランド経験

知覚品質をブランドと置き換えると、実体を持たないサービスやソフトウェアではインターフェイスが最もリアルな体験であり、ここからブランド経験が作られると言える。また、インターフェイスには、「学習」や「慣れ」など、他の製品にスイッチすることの障壁を作りやすい性質がある。高い知覚品質と継続利用を促す性質を活用すれば、より長期的なブランドロイヤリティを築くことができる。

まだ、あまりまとまっていないけれど、世の中でもこんな認識がすこしづつできつつあるのではないだろうか。そのほかにも、インターフェイスの社会的な価値については、前に引用したDoug Engelbertの言葉から読み取れるし、審美的な価値はMyron Krugerの引用に惹かれる。

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戦略本

昨日、「クラウゼヴィッツの戦略思考」 を読み終えました。今日は、いつもと毛色が違いますが、戦略について思うところを書いて見ようかと…(全くインタラクション系の話ではないですが)

読み終えた直後の感想は、「戦略って本当に必要なのか?」とちょっと戸惑いました。原典の「戦争論」は大著でかなり難解なようです。そういう意味では、「クラウゼビッツの戦略思考」の解説はある程度分かりやすくなっていると思います。(それでも結構難しかったですが。)

いくつか、面白かったところをメモ的に引用しておきます。

  • ?「不確実性は、戦略の源泉。」
  • 「戦略は道具ではない。」「戦略が文字通り『モノ』であれば、時々刻々と変化する環境に対応」できなくなる。「哲学する」ということ同様に、戦略的に思考することが本質だということだろうか…
  • 「単純さには勇気があり、複雑さには利口さがある。ともすれば、勇気はそこそこにして利口さを多めに用いたほうがより大きな成果が得られるのではないかと考えたくなるだろう。しかし、実際は逆である。危険が満ちている状況では、利口さよりも勇気を重んじなければならない。」
  • 「敵の求心力の中心を狙いすます『重心への集中攻撃』、攻撃の効果が最大になるタイミングを見極める『緊張状態の活用』」

「戦略って本当に必要なのか?」と思ってしまったのは、「モノ」としての戦略が否定されていたり、理論よりも経験と才能に重きが置かれているようなところがあったりしていたからでした。もう一度、こうして文章化のために読み直してみると、「戦略的思考」の意義は読み取れるのですが…

戦略はもう少しわかりやすい言葉に置き換えると、意味が広くなりますが「方法」のひとつと置き換えても間違いではないでしょう。「方法」の善し悪しは、再現性が高いこと、誰がやっても同様の結果が得られるというところにあると思います(レシピとか)。よくできた戦略も誰もが同様に実行可能なはずで、そう考えると戦略を実行した痕跡から、方法を推測し誰でもまねできてしまって、戦略に価値がある期間は、模倣が蔓延る前の、ごく限られた期間であるような気がします。それから、正しい戦略というものがあれば、正しい戦略=同様の戦略を実行する人が増えて、結局、戦略として意味を成さないような気も…

そういう意味で、「モノ」としての戦略は否定されるべきものなんですね。しかし、だとすると、なぜ文書化された戦略の秘匿性は高いのだろう?

などなど。最初はあまり、面白くなかったと書くつもりでしたが、改めて読み読み直してみると、いろいろなヒントを与えてくれる面白い本ですね。でも、古典戦略論では、個人的には孫子の方が好きです。でも、「兵法三十六計の戦略思考」よりは面白かったかも。

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アナログの魅力

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!

先日の「Designing Gestural Interface」の感想のやや続きですが、ジェスチャーを使ったインタラクションの楽しさは、デジタルなものを、現実世界の作法で操作できる、驚きや不思議さにあるように思います。Physical Computingの魅力もデジタル環境で失われたアナログな良さの活用にあるのだと思います。

minilogue – hitchhiker’s choice from ljudbilden on Vimeo.

この作品はホワイトボードにマーカーで描き続けられる、とてもアナログな魅力のある作品です。新しいジェスチャーのヒントがたくさんあるのではないでしょうか?

しかし、そんなことはおいて置いても 、Generativeなアート作品よりも、むしろこういったものに驚異を感じてしまうのは気のせいでしょうか…

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宇宙芸術

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まったく知らない領域でしたが、「宇宙芸術」に関するシンポジウムがあるそうです。

地球スケールの時間・空間概念ではなく、宇宙大であるいは多次元の時空間で芸術を考えるとどうなるのか、制作プロセスが変わるだけで鑑賞者と作品の関係は変わらないのか、などなど妄想が膨らみますね…

芸術は自然の模倣という側面からはじまりましたが、そもそも地球サイズで捉えたときの「自然」と 宇宙大の「自然」では相当違いそうですね。

興味のある方は、来年は心機一転、宇宙規模でものを考える人間になってみてはどうでしょう?

下記、詳細です。

宇宙芸術シンポジウム

 

期間: 2009年1月17日(土曜日)
時間: 13時00分〜16時00分(開場12時30分)
定員: 200名
会場: パナソニックセンター東京 ホール
主催: アーバンコンピューティングシンポジウム実行委員会
後援: 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
対象: どなたでも参加できます
連絡先: アーバンコンピューティングフォーラム

参加無料・事前予約制

開催概要
「宇宙芸術」をテーマにシンポジウムを開催いたします。
宇宙空間は、無重力、真空、無限遠の奥行きなどの地上にない特性を持ち、これまでもさまざまな創作、発想がおこなわれてきました。
今回、宇宙芸術の新たな試みをスタートさせるために、これまでの取り組みとしてJAXA「文化・人文社会科学利用」についてご紹介するとともに、宇宙芸術 の広がり、意味や意義を捉え直し、メディアアートやデザインの領域から提案できることの可能性を探り、語り合います。
アーバンコンピューティングフォーラムでは、IT、都市、建築、アート、デザイン等の領域で横断的に活動しているひとびとを結びつけ、新しいアプローチによる知の結集を目指しています。是非、お気軽にご参加ください。

 

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